京都庭園散歩 東福寺塔頭 霊雲院(2017年11月)

場 所:東山区本町15丁目801

拝 観:不定休(要確認 TEL:075-561-4080)

拝観時間:9:00~16:00

拝観料:500円

明徳元年(1390年)に天龍寺第64世・南禅寺第96世・東福寺第80世を歴任した高僧・枝陽方秀(きようほうしゅう)により開かれ、当初は不二庵と呼ばれていた。

寛永年間(1624年~44年)霊雲院第7世湘雪守沅(しょうせつしゅげん)に厚く帰依した細川忠利・光尚が「遺愛石(いあいせき)」と銘づけた須弥台と石船からなる貴石を贈呈。

これは、寺産五百石を贈ろうとした際、湘雪和尚から「出家の後、禄の貴きは参禅の邪鬼なり。庭上の貴石を賜らば寺宝とすべし」との申し出があったためとされている。

幕末には、この霊雲院で西郷隆盛と勤王の僧・月照忍向が維新に向けて密議を交わしたとされ、また日露戦争当時はロシア兵の捕虜収容所ともなっていた。

庭園は江戸時代中期に作庭されたが、永らく荒廃していたのを1970年春に作庭師・重森三玲が復元。

泉涌寺通りを右折して東福寺・臥雲橋に向かって歩くと、一華院の手前右側に霊雲院に至る石畳の露地が見えます。

その奥に入口の山門があります。

書院前庭は「九山八海の庭」と称され、中央に「遺愛石」が須弥山を表し、それを取り巻く白砂の波紋と周囲の築山で九山八海を表現し、仏説の壮大な世界観を表しています。

小書院の西から茶室観月亭にかかって、寺号の霊雲を主題にした「臥雲の庭」があります。これも重森三玲の作庭で、湧き上がる雲を表したベンガラ色の渦模様が一際鮮やかな印象的な庭です。

「臥雲の庭」のその奥に桃山様式の1階が四畳半席・2階が五畳半席の珍しい2階建て茶室・観月亭(非公開)があり、その前にも坪庭があります。

撮影:2017年11月21日

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