京都庭園散歩 真言宗善通寺派大本山 隋心院(2018年3月)

場 所:山科区小野御霊町35

拝 観:年中無休

拝観時間:9:00~16:30

拝観料:500円(小野梅園は3月1日~3月末日までで別途500円)

真言宗善通寺派の大本山でご本尊は如意輪観音坐像。弘法大師の8代目の弟子 仁界僧正を開基として正暦2年(991年)に建立された牛皮山曼荼羅寺の塔頭の一つ。第5世増俊阿闍梨の時に子房として建立。第7世親厳大僧正が後堀川天皇より門跡の宣旨を賜り、以降隋心院門跡と称して大いに栄え七堂伽藍を備えて壮美を誇っていたが、応仁の乱にて焼失。

その後、慶長4年(1599年)に再建されて現在に至る。

小野の地は、小野氏が栄えた所であり、小野小町もこの地の出身で、宮中を退いた後も過ごしたとされており、文塚や化粧井戸などいくつかの遺跡が残っています。

地下鉄東西線「小野駅」を下車して勧修寺とは反対に国道35線を東へ、醍醐道に出て右折直ぐで総門前に出ます。

総門を潜って真っすぐに参道を歩いて右折。左に長屋門、右に小野梅園が見えます。

長屋門を入って庫裡で受付をすませ中庭へ

建物伝いに表書院へ。寛永年間(1624年~1631年)の建築で襖絵は狩野派の作で「四季花鳥図」と「四愛図」があります(撮影禁止)。また玄関から薬医門が見えます。

玄関を入って直ぐの間に「小町榧」の切株が展示されています(撮影可)。深草少将の百夜通(ももよがよい)に出てくる小野小町が蒔いた99個の榧の実の話が想い起こされます。

表書院から能の間を左に見て奥に桃山期(慶長4年1599年)の寝殿造りの本堂が見え、能の間と本堂の前に小野庭苑が広がります。

本堂から表書院の方を見た景色

本堂の南側の庭園

本堂を一巡りして右に小町堂を見ながら奥書院へ

奥書院は徳川書記の建築で狩野派の筆による襖絵が多くあります(撮影禁止)。

梅園は梅の時期が過ぎていましたので、散りかけの少しみすぼらしい感じで、訪れる人もなく寂寥感が漂っていました。香りを放ち華やかに咲き誇っていた面影が僅かに偲ばれ、

 「花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」

の歌のように晩年の小町らしい感じがして趣きがありよかったです。

撮影:2018年3月28日

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