奈良庭園散歩 光明宗総国分尼寺 法華寺門跡(2018年5月)

場 所:奈良市法華寺町882

拝 観:本堂及び華楽園は年中無休

    国史跡名勝庭園は特別公開時のみ(4月1日~6月10日)

拝観料:通常は500円、特別拝観時は700円

拝観時間:9:00~17:00

大和三門跡に数えられる尼寺。もと藤原不比等の住居であったものを、不比等没後、娘の光明子(すなわち光明皇后)が相続して皇后宮とし天平17年(745年)ごろ「法華寺」と称した。その後、聖武天皇が国分寺・国分尼寺建立の詔を発し、法華寺が国分尼寺となった。

伽藍整備が整のうにはかなりの時を要したとみられており、延歴元年(782年)頃には完成していたと思われる。

平安京遷都に伴いかなり荒廃したが、慶長6年(1601年)ごろに豊臣秀頼の母・淀君が再興し現在に至っている。

赤門を潜って受付へ。

入って右手に薬師堂とその奥に横笛堂があります。

横笛は平家物語や高山樗牛の小説「滝口入道」で知られる悲恋物語のヒロイン。その横笛が尼となった後に住んだとされるのがこの建物。(参考:京都滝口寺)

左手には立派な鐘楼(重要文化財)があります。鬼瓦に慶長7年(1602年)の刻銘があり、その頃に再建されたと考えられています。二階建てで上層に鐘を吊る「袴腰付き鐘楼」ですが、上層に縁や高欄を設けない珍しい形式をとっています。(参考:京都相国寺の鐘楼)

鐘楼の横を通って本堂へ。途中、鐘楼の奥に池に浮かぶ護摩堂があります。

更に進むと、左手に切妻造り・本瓦葺きの南大門(重要文化財)が見ます。

正面突き当りは慈光殿に続く小門が見えます。

右手に慶長6年(1601年)淀君の寄進で再建された、寄棟造・本瓦葺きの本堂(重要文化財)があります。堂内には厨子の中に安置された本尊十一面観音像があります。(堂内撮影禁止)

本堂左手の小門を潜って客殿前の名勝庭園へ。江戸初期の名園として国の名勝に指定。

池を半周する形で客殿前へ。

途中左手が小高い丘のようになっており、石塔が建っています。昔は物見台があったそうです。

「へ」の字形の池を巡って客殿前へ。

客殿の前は白砂が敷き詰められ、客殿から池に続く飛び石は池に向かって高さが逓減している。客殿から見て正面、橋の奥に枯滝を表す立石があります。

客殿と本堂を繋ぐ回廊越しに東書院の前庭が垣間見えます。

一旦受付まで戻って、今度は華楽園の方へ。入ると右正面に浴室(からぶろ)(重要有形民俗文化財)があります。現存の建物は明和3年(1766年)のものです。

右手には東庭園に至る細道があります。

浴室の左側を抜けて光月亭へ。

光月亭の正面には慶久庵という数寄屋風の建物があります。

光月亭を出て真っすぐに進むと、左手(浴室の裏手)の木立に埋もれて東室が見えます。

突き当りを道なりに右に折れて暫く行くと、東庭園の蓮池にでます。

東庭園には多くの草花が咲いています。

撮影:2018年5月22日

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