京都庭園散歩 野仏庵(2018年11月)

場 所:京都市左京区一乗寺葉山町15

拝 観:土曜・日曜・祝日及び水曜のみ拝観可能

拝観料:500円(抹茶・菓子付き)

拝観時間:9:00~16:00

南禅寺の湯豆腐の老舗「順正」の創業者・上田堪庵(うえだたんあん)により創立。

詩仙堂のすぐ上、坂を少し上がった所に入口があります。向かい側は八大神社。

入口のよし葺の長屋門は、西園寺公望ゆかりの門とのこと。幕末動乱期に新選組に追われて、難を逃れて隠棲した丹波の須知村の寓居から移築したもの。門に掲げられた「野仏」の文字は南禅寺管長・勝平宋徹師の筆によるものです。

両脇に置かれているのは、狛犬ではなく狛羊で大変珍しいものです。京都では他に嵐山の「虚空蔵法輪寺」にあるのが知られています。

長屋門を潜ると、正面及び左側に立派な石仏が並んでいます。この野仏庵には他にもいたるところに石の仏様がおられ、その数は100を超えるそうです。


受付は門から路地を抜けて石段を登ったかなり奥にあります。

長屋門から真っすぐ路地を入って、右に折れると不動明王の石仏があります。

不動石仏の前の石段を左に昇ってすぐ右折れすると、右手に長屋門と同じく丹波の須知村から移築した公望ゆかりの茶室「陶庵席」があります。

二帖中板の「陶庵席」とその内部。

「陶庵席」の前の石段を登った門から振り返った茶室の様子。

門を潜ると細い路地の奥、右手の赤い壁の建物の中に受付があります。途中手前に、左に下りる石段があります。

受付を済ませて建物内部へ。

母屋は大阪淀にあった庄屋の旧邸を移築したもので、弁柄色も鮮やかな建物です。

右手に床の間と仏壇、正面に庭園を見ながら青い毛氈の上に座ってお茶がいただけます。

庭はこじんまりとした白砂の庭園ですが、東山を借景に、右手は蹲と竹垣の向こうに京都市内が一望でき、無限に広がりを感じさせる庭園です。

庭園のある部屋の右手に上田秋成ゆかりの「雨月席」があります。元々は南禅寺の西にあったものを移築したものだそうです。

母屋の出口に戻り、床几に腰かけると茶室「幽扉席」の茅葺の屋根越しに東山の景色が広がります。

茅葺屋根に白く光る丸いものは、貝殻で烏よけだそうです。

母屋の前を少し戻って右に石段を降ると右側にいくつかの茶室がならび、左側に祠に入った大きな石仏があります。石段の途中にも多くの石仏があります。

奥へと続く路地には、瓦や石臼が埋め込まれていて、瓦が流水に石臼が浮かぶ花のように感じられて趣きがあります。右手はお待合。

幽扉席の奥には武者小路千家好みの二席の茶室が並んで建っています。

奥から石仏の方を見た景色。

更に石段を下ると鬱蒼とした木立の間に多くの石仏が並んでいます。

2018年11月21日撮影 (無断転載を禁止)

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