京都庭園散歩 正法寺・前編(2019年06月)

場 所:京都市西京区大原野南春日町1102

拝 観:無休

拝観料:300円

拝観時間:9:00~17:00(16:30受付終了)

正法寺(しょうぼうじ)は、真言宗東寺派の寺院で、山号は法寿山、本尊は三面千手観音です。

天平勝宝6年(754年)に鑑真和上と共に唐から来朝した、鑑真の高弟・智威(ちい)大徳がこの地に隠棲し修練を行ったのが始まりとされています。古くは春日禅坊と呼ばれていました。

その後、延暦年間(782年~806年)に伝教大師・最澄が「大原寺」という寺院を建立したと云われています。また、弘仁年間(810年~824年)には弘法大師・空海が巡錫し、厄除けのために聖観音を刻んだとも云われています。

応仁の乱の兵火で焼失しましたが、元和元年(1615年)に恵雲(えうん)と徴円(ちょうえん)という両律師により再興され、寺名が現在の正法寺に改められました。更に、元禄年間(1680年~1703年)には江戸幕府5代将軍綱吉の生母・桂昌院の帰依を受け、徳川家代々の礼願所となりました。

境内には全国各地から集められた名石があり、「石の寺」とも呼ばれています。また、客殿(宝生殿)の前には「宝生苑(ほうしょうえん)」という東山連峰を望む借景式山水庭園があります。この庭園には、獅子・蛙・兎・鳥・亀など動物の形に似ている庭石があり、このため「鳥獣の石庭」とも呼ばれ親しまれています。

大原野神社の斜め向かいに正法寺に至る参道があります。社家川に架かる朱塗りの極楽橋を渡って参道を進むと、正面に書院に至る石段があり、右手に春日不動尊の建物(不動堂)が見えます。

不動堂には、春日不動明王と愛染明王(室町時代の作)が安置されています。

石段を登って不動堂の前から正面を見た景色。

不動堂前から、右(南)側の子安地蔵の方を見た景色。子安地蔵の手前に竹筒が2本V字状に立っているのは、不動堂の回廊から水琴窟の音を聴くためのものです。

同じく不動堂前から、左(北)側を見ると朱色が鮮やかな遍照塔が見えます。

遍照塔は、明治41年(1908年)に日露戦争の戦没者慰霊のために、高台寺境内に建立された建物で、元の名を忠魂堂と云い六角二重塔というちょっと変わった形状をしています。平成22年(2010年)に正法寺の現在の位置に移築されました。

遍照塔に向かって左側には、石造の阿弥陀三尊像があります。

境内図(HP「京都に乾杯」より)

戻って、参道の突き当りにある石段を登って通用門へ。通用門の右手には、龍の手水鉢とベンチを挟んで北側に清め不動があります。

通用門を潜って中に入ると、右手に子安地蔵越しに不動堂が見え、正面の書院(庫裡)入口の左に受付があります。

受付を済ませ奥(南側)に進むと、本堂前の枯山水庭園に出ます。

石畳を進むと右手に書院から続いて本堂の建物があります。

左手の植え込みの奥に五重石塔が置かれています。

石畳の左側には巨石と植え込みを配した白砂の庭園が広がります。奥に見えているのは山門です。

石畳の路地は途中で十字に分かれており、左(東)側に折れると山門に至ります。

山門に至る石畳の途中から 山門に向かって左(北)側を見た景色。見えている建物は不動堂です。

山門の所から外(東)側を見た景色。サツキの刈込の向こうに梅と桜があり、遥か向こうに東山連峰が見えます。

山門前から振り返って書院と本堂の方を見た景色。

山門から本堂に向かって十字路を左(南)側に行くと、隣の宝生苑への小門があり、その近くに大手水鉢があります。

山門から石畳の十字路を直進すると、本堂に上がることが出来ます。

以降は後編へ。2019年06月12日撮影。

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